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「ほら面白いでしょ!」と言われ続けると醒めてくるよね--映画「RANMARU 神の舌を持つ男」感想

 今年の7月から9月に連続ドラマとして放映され、「TRICK」や「SPEC」の堤幸彦の演出として高視聴率が期待されたものの「爆死」とも言われる低視聴率に終わった作品の劇場版。

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 向井理に木村文乃と佐藤二朗の主人公トリオが各地の温泉宿で起こる殺人事件を解決する2時間サスペンスのパロディだが、なんか滑っていると言うか「面白いでしょ!面白いでしょ!!」と押しつけられた笑いというか、なんかズレていて「SPEC」ほどは楽しめなかった。

 それでも、木村文乃の無意味なコスプレとか片瀬那奈が出たバスガイド篇とか、変に面白い部分もあり、なんかクセになって全話録画して観てしまった。

 最後まで低視聴率に終わったものの、当初の予定通り映画化されると聞き、「自分みたいなファンが観なければ」と行ってみた。観に行ったのは封切り2日目の日曜日で客は10人程度。

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 観る前から、私のような素人でも「劇場版も爆死するよな」と思うような状況だが、松山市内でも3つの劇場で公開されている。配給側には自信があるのかもしれないが、どう考えてもスクリーンが多すぎるのでは?

 いきなり「テレビ版を観ていない人が多いだろうから、あらすじを紹介しよう」と言う自虐的ナレーションから始まったが、確かに私の周りでは、観てる人がいなかった。

 内容は、テレビ版の拡大版に過ぎず、特別に豪華な内容ではない。

 そのため、ほぼ全編、温泉地の変な人たちと木村文乃が滑ったギャグを繰り返す映画で、1つのストーリーなので、木村文乃のコスプレも多彩な個性的登場人物もなく、思った通り(いや思っていた以上に)「滑った」映画だった。

(ちなみに、木村文乃が悪いってわけじゃなくて、与えられた仕事はキチンと演じていたと思う)

 細かく見れば、木村文乃の「ボルシチ!」とか「リオデジャネイロ!」とか「立ち入り禁止」の柵を躊躇なく破壊するところは面白かった。

 それと、佐藤二朗が怪談を語りながらスケッチブックを描くところ、突然出てくる竹中直人!も良かった。

 登場人物の顔がカットごとに大きくなるギャグは映画オリジナルだが、私の周りの観客から唯一笑い声が出ていた。

 最後の、似顔絵をバックに繰り広げられる掛け合いは長すぎてクドくて、痛々しさを感じるほどだった。

 もっと2サスのパロディに徹して、さまざまな2サスのパターンを再現したら良かったのにと思う。

 どうせなら最後に、向井理が「SPEC」の「世界」になる話だったら驚いたのに。

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