人生の活力は物欲なり

物欲のままに買った物を中心としたレビューを書いています

「ユリゴコロ」感想。タラレバ言ってるコメディーよりも吉高の素材を活かしているが…

 吉高由里子の主演映画としては「僕等がいた」以来だから5年振り?意外に間隔が開いた印象だ。

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 物心ついた時から、「人を殺すこと」だけが「ユリゴコロ」(後に「よりどころ」の聞き間違いと判明する)の女性(吉高)の半生を、その息子(松坂桃李)が末期ガンの父親の部屋で見つけた手記からたどりつつ、現在で起きる恋人の失踪事件と交互に描いている。


映画『ユリゴコロ』予告編

 ともかくこの主人公が「チャンスがあれば殺人」って言うどうしようもない人物で、何回かの殺人がどれも警察に捕まらなかったのは、あまりにも無理がある。

 ただし、不思議な魅力がある映画で、大人になって出会った自傷壁のある女性とお互いの切って血を流し合うシーンは、マツケンと草の実の中で裸で抱き合うシーン以上にエロティックだった。

 「蛇とピアス」を連想させるが、やはり吉高は、居酒屋で「結婚したーい!」とタラレバ言っている明るい女性より、メンヘラで異常で身持ちも堅くない問題の多い女性を演じる方が会っていると思うレバ。

 これ以上はネタバレになるので避けるが、いろいろ無理がある。あるけれど、吉高の狂気を宿した表情でなんか乗り切ってしまった感がある。

 オチも無理矢理感動させると言うより、やや後味が悪い。これが「いやミス」なのか?