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進化した部分と悪化した部分。ポメラDM200レビュー:第2回

 まだまだ続くよポメラの話。これまでのお話はこちら。

utsuno-dcz.hatenablog.com

進化した部分

 5年振りの新機種と言う「この業界じゃなくてもどうなんだそれは?」って程の時間が開いてしまった新型ポメラ「DM200」。

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 私みたいなポメラへの思い入れがあるユーザー(DM10発売当時は「ポメラニアン」って呼ばれていた)を別にして、一般的にはどんな評価をするべきなのか?

 2016年に「テキスト入力専用機」の存在意義があるのかは置いておく(次回以降に書く)として、前機種と比べて最も大きな改善点は2つ。「ATOKの強化」と「キーボードの改良」である。

 

ATOKの強化

 これは、使ってみてすぐにわかる。

 これまでのポメラのATOKは非常に低レベルで、実用的にはギリギリの変換精度だったが、DM200のATOKはパソコンのATOKにかなり近付いている。

 DM200の宣伝文句である「桜の花が咲きました」はできて当然って気もするが、入力していてストレスを感じることがほとんどない程度には、改善を実感できる。

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 ただ、いまのパソコンやスマホ用のATOKが持っている、推定変換や言葉の意味をネットから拾ってくる機能、新しい言葉を自動的に追加してくれるサービスには対応していない(できない)。そのため、来年の今頃は「この言葉が変換できないのか?」と思っているかもしれない。

 

キーボードの改良

 これも、すぐ体感する。

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 これまでのキーボードとは、キーボードのスプリング(って言っていいのか)の部品が違うそうで、しっかりした鉄板の上にキーボードが乗っている気がする。

 薄さとコストを優先して「打ち心地」を犠牲にしているノートパソコンと比べるとその差は大きい。

 私は、デスクトップパソコンでは東プレの製品を使うぐらいにキーボードにこだわりがある方だが、このポメラのキーボードは、打っていて楽しい使い心地である。

 

その他の改善点

 それ以外に、アウトライン編集に対応していて、行頭の記号(初期値はピリオド)の数で階層を指定できる。

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 この機能は、普段使っているWindowsのEDITORソフト「WZ EDITOR」と同じで、それなりに長い文章を打つ時には非常に便利である。

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悪化した部分

 「悪化」と言う表現が正しいのかわからないが、前機種に比べて悪くなった点も実はある。

 まずは、特徴であった乾電池駆動を捨て専用の内蔵バッテリーになった事。

 これは、いざというときにコンビニで買った乾電池が使えるって安心感がなくなったものの、ATOKの強化とか液晶モニターの大型化にともなうことなので、仕方ないかなと思う。バッテリーの充電はUSBのtype B端子で行えるのでモバイルバッテリーが使えるし。

 個人的に大きな問題は、重さが100g増したことで、ある意味DM200の存在意義を脅かすのではないかと思っている。

 DM100の重さの400gと言うのは、デジカメとか7インチのタブレット、書籍1冊分であり、気軽にカバンの中に放り込めたが、DM200の550gは、ズッシリと重さを感じる。

 「変換効率が悪くてキーボードの質感が低くても、小型軽量でどこにでも持ち出せる」と言うポメラの良さが、変換効率とキーボードの質感という確かに重要な要素を満たすためにスポイルされるとは、皮肉なことだと思う。

 

それでも結局は

 いい点も悪い点もあるDM200。単純に「出来る事」だけから考えると、値段も高く選ぶ意味はないかもしれない。

 それでも、これまでネットで話題になりそれなりに売れてきたポメラの魅力は引き継いでいると思う。

 「その魅力とは…」って話は次に書きます。

 

キングジム デジタルメモ ポメラ ブラック DM200

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