人生の活力は物欲なり

物欲のままに買った物を中心としたレビューを書いています

「ドリーム」感想。邦題で損をしているが、見ていて元気が出る良作

1960年代アメリカの有人宇宙飛行計画(マーキュリー計画)の裏方として活躍した黒人女性の物語。

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原題は「Hidden Figures」で直訳だと「隠された人間」になるが、あえて和訳すると「知られざる人々」になるんだろうか?どこをどうやって「ドリーム」になった(した)んだろうか?


映画『ドリーム』予告A

ちなみに、邦題が決まった当初は「――私たちのアポロ計画」と言う副題が付いていたが、「『ドリーム』はともかく、そもそも『マーキュリー計画』だし!『アポロ計画』じゃねーし!!」とSNSを中心に批判が殺到し、本国の監督も「おかしい」とTwitterでコメントするに至り、副題が取れて「ドリーム」のみのタイトルになったらしい。

人種差別と女性差別の2つの差別が根強い時代に、黒人女性3人が障害にもめげずに偉大な功績を残すまでを描いている。

深刻で不愉快な事も多かったはずだが、この映画では様々な障害とその克服について、全体的に明るくコミカルに描いているため、気持ちが暗くならずに見ることができた。

本国で大ヒットしたのも納得の良作。

白人の宇宙飛行士で後に国会議員になり「ディープインパクト」の登場人物のモデルにもなったジョン・グレンがめっちゃいい人。

「ライトスタッフ」をもう一回見たくなった。 

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「やめてみた」・「もっとやめてみた」感想。「やめる」と言うより「習慣を変えてみる」事の大切さ

前からなんとなく知っていたが、最近続刊の「もっと――」が出たことで、「最初からちゃんと読んでみよう」と2冊まとめて買った、わたなべぽんのコミックエッセイ。

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「やめてみた」には「本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方」と言うサブタイトルが付いている。日々の生活の中で「当然」と思っていた何か(炊飯器から友達との付き合いまで)を「やめてみる」のをきっかけとして生活が改善する…それ以上に気持ちが楽になる様子をマンガで描いている。

やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方 (幻冬舎単行本)

やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる暮らし方・考え方 (幻冬舎単行本)

 

1冊読むのに30分も掛からないが、いろいろと気付かされて目からウロコが落ちる思いだった。

実際に「炊飯器」や「ファンデーション」等々自分には関係のない話も多かったが、「当然と思っていた習慣や考え方を変えると、(生活が改善し)気持ちが楽になる」のは実際にある気がする。

自己啓発本のたぐいはほとんど読まない私だが、この本は読んで良かったと思う。

これから、いろいろな習慣を「やめて」みようと思う。

まずは、このブログの段落の字下げをやめてみた。

これまで、なんとなく習慣で段落の最初を1文字分下げていたが、ブログの場合行間が空いていて段落が変わったことはわかる。なんとなく惰性で続けてきたが、この本をきっかけに「やめてみた」。

こっちの方がスッキリしてる気がする。

もっと、やめてみた。

もっと、やめてみた。

 

 

「ユリゴコロ」感想。タラレバ言ってるコメディーよりも吉高の素材を活かしているが…

 吉高由里子の主演映画としては「僕等がいた」以来だから5年振り?意外に間隔が開いた印象だ。

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 物心ついた時から、「人を殺すこと」だけが「ユリゴコロ」(後に「よりどころ」の聞き間違いと判明する)の女性(吉高)の半生を、その息子(松坂桃李)が末期ガンの父親の部屋で見つけた手記からたどりつつ、現在で起きる恋人の失踪事件と交互に描いている。


映画『ユリゴコロ』予告編

 ともかくこの主人公が「チャンスがあれば殺人」って言うどうしようもない人物で、何回かの殺人がどれも警察に捕まらなかったのは、あまりにも無理がある。

 ただし、不思議な魅力がある映画で、大人になって出会った自傷壁のある女性とお互いの切って血を流し合うシーンは、マツケンと草の実の中で裸で抱き合うシーン以上にエロティックだった。

 「蛇とピアス」を連想させるが、やはり吉高は、居酒屋で「結婚したーい!」とタラレバ言っている明るい女性より、メンヘラで異常で身持ちも堅くない問題の多い女性を演じる方が会っていると思うレバ。

 これ以上はネタバレになるので避けるが、いろいろ無理がある。あるけれど、吉高の狂気を宿した表情でなんか乗り切ってしまった感がある。

 オチも無理矢理感動させると言うより、やや後味が悪い。これが「いやミス」なのか?

アウトプットだけのガジェットのメリットとは。ポメラDM200レビュー:第3回

しばらく放置してました

 非常に間が開いてしまったが、去年の12月に買ったテキスト入力マシン「POMERA DM200」のレビューを書く。

utsuno-dcz.hatenablog.com

utsuno-dcz.hatenablog.com

  間が開いたのは公私ともに忙しくてなかなか書く時間が取れなかったのもあるが、DM200の記事に関しては、買ってしばらくはそれなりに使ってその後はやや放置気味だった事もある。

 普段の私の通勤鞄の中には、家で録ったブルーレイディスクを見るためにノートパソコン(レッツノート)が入っていて、さすがにもう一台580gの重さのDM200を入れる余裕はない。(体力的に)

 

出張のお供に使ってみて驚いた!

 そんなわけでちょっと疎遠になっていたDM200だが、先日行った東京出張には、「持ち運ぶ荷物は軽い方がいい」とノーパソの代わりに持ち運んでみた。

 するとなんと言うことでしょう…、これまでスランプ気味だったブログの原稿がサクサク書けるのである。

 これは、魔法の機械か?

と言うのはわざとらしいが、何のことはない。ネットを見られない環境だと、キーボードを叩くしかなくて、原稿が書けるようになったわけである。

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東京のドトールで

 ポメラの紹介記事で、「ネットに繋げないマシンだからテキスト入力に集中できる」と書いてあっても「要は意思とか精神力の問題だろう」と思っていたが、実際には、なにか書こうとパソコンの前に座っても、メールチェックしてニュースサイトを見ているうちにまとめサイトを見て…、気が付けば寝る時間になっているって事に繰り返しだった。

 自分の意志の弱さが情けない。

 「パソコンだとネットで情報を検索しながら書けるから便利!」とも思っていたが、それはスマホを使うとほとんどの場合足りる。

 そんなわけで、ポメラの良さを再認識した私は、どうしてもノーパソが必要な時を除いて、ちょっとした外出時にはDM200を持って行くようになった。

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マクドで

DM200とDM100の比較。またはモバイルキーボード

 ちなみに、前モデルでもっと軽いDM100もまだ持っているが、比べてみるとキーボードのクオリティー(打ち心地)が違いすぎて、少しぐらい重くてもDM200しか使いたくない。

 なお、スマホと文章入力用の携帯型キーボードの組み合わせをメインにすることも考えた。

 実は、ここ数年でキーボードだけで4つは買っている。

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使い勝手がイマイチだったキーボード2種

 しかし、キーボードのクオリティーの問題と、Galaxyだけの現象かもしれないがスマホに繋いだ後にいちいち「キーボードの設定」でATOKを使うようにしないと使えないのがストレスで、この組み合わせは断念した。

....改めてDM200を使った感想
 そんなわけで、しばらくの休止期間を経て復活したDM200。キーボードの打ち心地には大満足。ATOKはパソコンやスマホ版にある固有名詞を最新の用語に対応させるサービスが受けられない欠点はあるものの、前モデルよりは辞書の語彙も多く、ほとんどストレス無く使えている。

 

「画期的な」通信機能について

 ポメラは「テキスト入力しかできないマシン」であるが、一般にテキストを入力するのは、そのテキストを何かに活用するのが目的のはずである。(まれに、日記やメモの保存用で使うこともあるかもしれないが)

 最初のポメラDM10はmicroSDにテキストファイルを保存してパソコンで読み込むしかなかったが、後継機のDM20からはテキストの内容を2次元バーコードに変換する機能が付き、スマホのバーコードリーダーで読み取れるようになった。

 DM200では遂にWi-Fiが搭載され、テキストファイルをメールで送れるようになった。この機能を使うと、保存したテキストファイルのファイル名がタイトルになり内容が文面としてメールを送れる。Gmail等のアカウントを使って自分にメールを送れば、簡単にパソコンに送ることができる。

 2016年に発売になった機械で、「遂にWi-Fiが搭載!」って「なんの冗談だ?」って無期もあると思うが、ポメラ界(笑)にとっては画期的な出来事なんである。

 これで、出先で書いたブログの原稿を、無料のWi-Fiかスマホのテザリングで自分のスマホまで簡単に送れる。その文章とスマホで撮った写真があれば、どこでも簡単にある程度長文のブログが書ける。


便利になったが不満も…

 いやー便利になったと喜んでいるわけだが「嬉しさも中くらいなり」なのは、「パソコンやスマホからDM200にファイルを戻す方法がない」からである。

 もちろん、SDカードに保存してパソコンで読み取れば可能だが、それには最低でもノーパソを持ち歩く必要がある。

 つまり、この時点ではDM200のテキスト入力は片方向だけと言う事になる。

 ただし、iOSの場合は、Gmailのメモ機能を使ってファイルの同期を取る「ポメラSync」という機能があり、まさに双方向のデータ交換を可能にしているが、WindowsとAndroid使いの私には、どうしようもない。

 何とかファームウエアのバージョンアップでDropboxとかGoogle Driveを使って同期する機能を追加してくれないものかと願っているが、伝統的にあまり頻繁にファームアップをしないキングジムだけに、状況の打開には悲観的である。

…と思っていたが、いろいろ調べてみるとメーカー非公式ではあるが、解決する(かもしれない)方法があるらしい。そこら辺は、次回に。

 

「関ヶ原」感想。司馬遼太郎小説のまっとうな映像化作品

 それなりにヒットしている「関ヶ原」。

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 原作は、個人的に司馬遼太郎の歴史小説の中で一番好きな作品であり、合戦そのものよりもそれに至る石田三成と徳川家康の駆け引きや根回しの描写にページを割いていて、戦術よりも戦略を重視する司馬遼ならではの歴史小説だと思う。

 「関ヶ原」の映像化と言えば、1981年のTBS製作のTVドラマ版が、石田三成を加藤剛、徳川家康を森繁久弥、島左近を三船敏郎、本多正信を三國連太郎…(他にも、豊臣秀吉を宇野重吉、福島正則を丹波哲郎、加藤清正を藤岡弘)等々、当時でも「奇跡のキャスティング」と言われた大作で、何度もレンタルで借りて見た。

 今回の劇場版は、そこまでの豪華キャストではないが、軍師の黒田官兵衛よりは正義感あふれる能吏が似合う岡田准一や、狸親父風の家康を上手く演じていた役所広司、武辺の人の雰囲気がぴったりの平岳大の島左近、松山ケンイチの直江兼続など、イメージに合った配役ですんなりと楽しめた。

 あの原作を2時間ちょっとにまとめるのは大変だと思っていたが、ちゃんと合戦までの陰謀戦も丁寧に描いていて、予算の関係もあったのかもしれないが関ヶ原での合戦のシーンはやや短め。

 ところどころ新解釈も交えつつ、有村架純や伊藤歩、中越典子等の女性陣のアクションも描いていて、2時間29分の長時間ではあったが、中だるみもなく最後まで見られた。

 

「エイリアン:コヴェナント」感想。「エイリアン」の原点回帰

f:id:utsuno_dcz:20170920225424j:plain 「リドリー・スコットの『エイリアン』なら見ねばなるまい!」と気合いを入れて見に行った「プロメテウス」から早5年経つ。

 「エイリアンシリーズの前日譚」との前宣伝の割に、「第1作に繋がらない」と言われて、あまり高い評価を受けなかった「プロメテウス」だが、私は「異星・異文化探索物」として「ギーガーっぽいデザインと雰囲気を味わえる映画」として(剛力彩芽の吹き替えを除けば)なかなか楽しめた。

 第1作と(キャメロンが監督した)第2作を除けば、次の作品で「前作はダメだったけど今度のは凄い!」みたいな売り込み方をすることが多いエイリアンシリーズなので、「『プロメテウス』は迷走していたけど、今度の『コヴェナント』は凄い!」と雑誌とかで書かれていても、話半分で期待しすぎないようにしていた。


映画『エイリアン:コヴェナント』TVCM(オリジン編 30秒)

 前作の「プロメテウス」のラストでは、主人公のエリザベスとアンドロイドのデイビッドが、人類とエイリアンを含む生命を遺伝子操作で作り出してきた巨人型の宇宙人「エンジニア」の宇宙船に乗り込み、エンジニアの母星を目指して旅立つところで終わっていた。

 続編である今作は、圧倒的な科学力を持つエンジニアの母星が舞台で、J.P.ホーガンのSF小説「巨人たちの星」みたいな話になるのかと思っていたら、冒頭から全然違う話が始まった。

 別の惑星を目指して航行していた宇宙船コヴェナント号が、謎の惑星から「地球人の」信号を受信したことから、その惑星に向かったところ謎の宇宙船を発見し…という第1作をなぞったようなストーリーだが、この謎の宇宙船というのが、第1作以来出てくるギーガーデザインのやつで前作で主人公たちを乗せて飛び立った機体だと徐々にわかってくる。

 そこから先は、エイリアンに寄生された乗組員が次々に死んでいき、リーダーになった女性乗組員がたくましく戦い、宇宙船の密室の中での戦いでまたも乗組員が殺されて…

 まさに「原点回帰」である。

 これ以上のネタバレは避けるが、第1作にあってその後のシリーズで徐々に失われていた「エイリアンの正体不明の怖さ」を描くことに力を入れているのが印象的だった。

 ただ、前作でも気になった事だが、いくら酸素があるからと言っても、未知の惑星でヘルメットもかぶらずに普通に歩き回る乗組員は、いくら何でも不注意というか大胆過ぎる。案の定…(ネタバレ)。

 結局、諸悪の根源は「あの無機質な奴ら」って事がわかったものの、これまでのシリーズの中で最も救いのないラストだったため見終わって気持ちが重くなったが、原点に戻ったエイリアンのデザインやエンジニアの聖域(?)の不気味さを含めて、見応えはあったと思う。

 

舞台「百鬼オペラ 羅生門」感想。躍動する満島ひかり

 昨日の「ワーニャ伯父さん」に続いて、満島ひかりの舞台「百鬼オペラ 羅生門」を観に行った。

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 他にはダブル主演で柄本佑、仮面ライダーメテオの吉沢亮が出ている。
 芥川龍之介の同名小説と「鼻」と「蜘蛛の糸」をミックスしたストーリーを外国人が演出した作品らしい

 会場は昨日の新国立劇場小劇場と同じぐらいの大きさ。満員で立ち見客もいた。

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 平安時代(?)に京の「羅生門」の近くで起きた殺人事件を3人の目撃者の視点から描く。それぞれの見た出来事は食い違っており、どれが真相なのかよくわからない、随所に亡者や妖怪が出てきて、かなり幻想的な雰囲気。

 着ぐるみみたいな妖怪や全身タイツの亡者も含めて出演者が大きく動き歌い踊る。(オペラだから?)

 満島ひかりは、夫を殺される悲劇的な妻の役。小柄ながら動きに切れがあって、盗賊ともみ合うシーンやダンスでは猫と言うかヒョウを連想させるしなやかで迫力ある演技だった。

 出演者の人数が昨日の「ワーニャ伯父さん」より多く、満島ひかりの出番がもっと多ければいいのにと思って見ていたが、最後の山場では、続けて出てきてたっぷり歌い踊ってくれた。

 昨日に続いて2時間超の公演時間はあっという間に過ぎた。

 最後の出演者総出でお辞儀するシーンでは地面に手が着くぐらいの前屈を見せてくれた。さすがに身体が柔らかい。

 そのときに、お辞儀が深すぎてロングヘアーが顔の前をふさいでしまい、髪をかき分けようとする(たぶん素の)仕草も含めて「カルテット」のスズメちゃんを連想させる年齢不詳のキャラクターがうかがえた。

 やっぱり生の観劇はいい。また機会があれば「遠征」しよう。